3月5日(火)僧侶のためのファシリテーション連続講座 第3講へ行ってきました。今回の学びは対人関係のスキルについてです。ファシリテーションの根幹はここにあり!全講座の中で今回が一番重要だそうです。
さて、どうして人は話せないのでしょうか。また、どうして話し合いに参加できないのでしょうか。
これはその当事者の問題ではなく、そもそも話し合いの内容、コンテンツが難しくて理解しづらい内容だったり、言いづらい雰囲気だったり、関わりづらい過程であったりするのが要因となっています。さらに、日本は属人的で同調的な文化なんだそうです。属人的とはAさんが言ったからそうする。つまり内容云々ではなく誰が言ったのかを気にします。同調的とは長いものに巻かれよう、他人に合わせていくことが大事だと思うことです 😕
しかしながら、環境やプロセスを改良し、人と人の相互作用を理解しそれを促していくことで、あらゆることは解消されます。
始めに観察のワークを行いました。これは3人1グループになって、あるテーマについて6分間話し合います。Aさんはファシリテーター役(その場の話し合いを促していく)。Bさんは参加者役(話し合いに参加する)。Cさんは観察者役(話し合いには参加せず、ファシリテーターと参加者を観察する)になり、観察者役は良かった点悪かった点をメモし、3回転した後フィードバック、ピア評価(相互評価)をします。6分間ですが話し合いの場を客観的に体感することができました。
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次に対人関係のスキルには何があるのかを学びました。大きく分けると6つあります。
①土台になるのは聴く力と観る力・・これは心で聴く傾聴のこと。人は話を聴きながら先回りして考えてしまったり、断定や主張をしてしまいがちです。傾聴とは「今、ここ」「今、この瞬間」に着目し、しっかりと受け止めること。また、観る力も大事で、発言していることがすべてではないということ。人は口に出すことよりも秘めてることが凄く多く、見えにくい部分をいかにその人から引き出すかが大切になります。足を組んでたり、腕を組んでたりする人は、その議論に参加してないなぁって感じますよね。
②あなたは話しやすい方ですか?・・無表情の人、目を見てない人、ふんぞり返ったりうなずかない人、腕組みする人、メモしない人。人は言葉ではなく、ふるまいで信頼を得ます。いくらどんなに質問の質を上げても、問いかけの力をつけたとしても、ふるまいが悪ければ対話の促進にはつながりません。今、目のまえのその人に、「聴いてるよ」というメッセージを伝えることが重要となります。話しやすい雰囲気や振る舞いを心掛けることが大切です。
③応答しよう・・これは相槌を打って受け止めてると伝えることです。何か言葉を発した時にリアクションして貰えると嬉しいですよね。いい話し合いとかいい雰囲気を作っている人は良い相槌やリアクションができています。リアクションにも色々あるそうです。
1. 共感「へー」「そうなんだぁ」といって対話を進める
2. 促し「それでどうなったんですか?」「そしたらどうなったんですか?」
3. 複唱「~なんだ」「・・だったんですねぇ」相手が言ったことをそのまま鏡のように返してあげる。相手は聴いてくれているというメッセージになる。すぐ質問したくなるのを我慢。
4. 要約「要は」「つまり・・・ってこと?」 相手が言ったことをまとめること。間違った解釈で話し合いを進めてしまう可能性があるので、正しく内容を解釈するために要約は大切です。
④良い質問をしよう・・質問には2種類あります。1つはクローズドクエスチョンです。「はい」か「いいえ」といった選択式の質問です。これは最初の導入時や最後の合意形成時に使ったりします。まずは選択しやすい「はい」か「いいえ」で選びやすい質問から入ると関係構築のうえで導入しやすくなります。最後の合意形成は賛成か反対かという会議の最後の質問のことです。2つ目はオープンドクエスチョンです。これは深堀りの質問のこと。5w1hをイメージしながらスコップで相手の発想を掘っていき、方向性をかえる方法です。
1. 拡大・・「例えば~」「他に~」今の議論を広げたり、他の事例を出す。
2. 収束・・「要するに~」「つまり~」今の議論をまとめていく。広がりすぎないようにする。
3. 否定的・・「何故?」「どうして?」今の議論を敢えて跳ね返す。方向性を跳ね返す。
4. 仮定・・「もし、」「仮に~」今の議論を飛躍させる。今の議論をワンランク上げる。
5. 強制・・「逆に」「敢えて」今の議論を転換させる。
⑤時には主張も・・ファシリテーターの中で難しいスキルです。会議の流れを正しく持ってくる技であり、誤った流れを放置しない為に主張して方向を変えたりします。
⑥自己開示しよう・・相手を聞くためには自分を開示する。ただし、開示しすぎると参加者の主体性や気持ちを下げる可能性もあるので使いどころに気を付ける。
以上が今回の学びでした。対人関係のスキルをスキルとせず、自然にできるようになれれば日常生活が円滑になることでしょう。まずは小さい場で実践してみます。