僧侶のためのファシリテーション連続講座 第3講

3月 27th, 2019

3月5日(火)僧侶のためのファシリテーション連続講座 第3講へ行ってきました。今回の学びは対人関係のスキルについてです。ファシリテーションの根幹はここにあり!全講座の中で今回が一番重要だそうです。

さて、どうして人は話せないのでしょうか。また、どうして話し合いに参加できないのでしょうか。
これはその当事者の問題ではなく、そもそも話し合いの内容、コンテンツが難しくて理解しづらい内容だったり、言いづらい雰囲気だったり、関わりづらい過程であったりするのが要因となっています。さらに、日本は属人的で同調的な文化なんだそうです。属人的とはAさんが言ったからそうする。つまり内容云々ではなく誰が言ったのかを気にします。同調的とは長いものに巻かれよう、他人に合わせていくことが大事だと思うことです 😕
しかしながら、
環境やプロセスを改良し、人と人の相互作用を理解しそれを促していくことで、あらゆることは解消されます。

始めに観察のワークを行いました。これは3人1グループになって、あるテーマについて6分間話し合います。Aさんはファシリテーター役(その場の話し合いを促していく)。Bさんは参加者役(話し合いに参加する)。Cさんは観察者役(話し合いには参加せず、ファシリテーターと参加者を観察する)になり、観察者役は良かった点悪かった点をメモし、3回転した後フィードバック、ピア評価(相互評価)をします。6分間ですが話し合いの場を客観的に体感することができました。

次に対人関係のスキルには何があるのかを学びました。大きく分けると6つあります。
 ①土台になるのは聴く力と観る力・・これは心で聴く傾聴のこと。人は話を聴きながら先回りして考えてしまったり、断定や主張をしてしまいがちです。傾聴とは「今、ここ」「今、この瞬間」に着目し、しっかりと受け止めること。また、観る力も大事で、発言していることがすべてではないということ。人は口に出すことよりも秘めてることが凄く多く、見えにくい部分をいかにその人から引き出すかが大切になります。足を組んでたり、腕を組んでたりする人は、その議論に参加してないなぁって感じますよね。

②あなたは話しやすい方ですか?・・無表情の人、目を見てない人、ふんぞり返ったりうなずかない人、腕組みする人、メモしない人。人は言葉ではなく、ふるまいで信頼を得ます。いくらどんなに質問の質を上げても、問いかけの力をつけたとしても、ふるまいが悪ければ対話の促進にはつながりません。今、目のまえのその人に、「聴いてるよ」というメッセージを伝えることが重要となります。話しやすい雰囲気や振る舞いを心掛けることが大切です。

 ③応答しよう・・これは相槌を打って受け止めてると伝えることです。何か言葉を発した時にリアクションして貰えると嬉しいですよね。いい話し合いとかいい雰囲気を作っている人は良い相槌やリアクションができています。リアクションにも色々あるそうです。
  1. 共感「へー」「そうなんだぁ」といって対話を進める
  2. 促し「それでどうなったんですか?」「そしたらどうなったんですか?」
  3. 複唱「~なんだ」「・・だったんですねぇ」相手が言ったことをそのまま鏡のように返してあげる。相手は聴いてくれているというメッセージになる。すぐ質問したくなるのを我慢。
  4. 要約「要は」「つまり・・・ってこと?」 相手が言ったことをまとめること。間違った解釈で話し合いを進めてしまう可能性があるので、正しく内容を解釈するために要約は大切です。

 ④良い質問をしよう・・質問には2種類あります。1つはクローズドクエスチョンです。「はい」か「いいえ」といった選択式の質問です。これは最初の導入時や最後の合意形成時に使ったりします。まずは選択しやすい「はい」か「いいえ」で選びやすい質問から入ると関係構築のうえで導入しやすくなります。最後の合意形成は賛成か反対かという会議の最後の質問のことです。2つ目はオープンドクエスチョンです。これは深堀りの質問のこと。5w1hをイメージしながらスコップで相手の発想を掘っていき、方向性をかえる方法です。
  1. 拡大・・「例えば~」「他に~」今の議論を広げたり、他の事例を出す。
  2. 収束・・「要するに~」「つまり~」今の議論をまとめていく。広がりすぎないようにする。
  3. 否定的・・「何故?」「どうして?」今の議論を敢えて跳ね返す。方向性を跳ね返す。
  4. 仮定・・「もし、」「仮に~」今の議論を飛躍させる。今の議論をワンランク上げる。
  5. 強制・・「逆に」「敢えて」今の議論を転換させる。

 ⑤時には主張も・・ファシリテーターの中で難しいスキルです。会議の流れを正しく持ってくる技であり、誤った流れを放置しない為に主張して方向を変えたりします。

 ⑥自己開示しよう・・相手を聞くためには自分を開示する。ただし、開示しすぎると参加者の主体性や気持ちを下げる可能性もあるので使いどころに気を付ける。

以上が今回の学びでした。対人関係のスキルをスキルとせず、自然にできるようになれれば日常生活が円滑になることでしょう。まずは小さい場で実践してみます。

得度式 無事円成

3月 26th, 2019

平成31年3月24日(日)泉秀寺において副住職長男 璃博(りはく)の得度式を厳修しました。

得度とは、お師匠さま(師僧)について髪を剃り、袈裟(けさ)、坐具(ざぐ)、直綴(じきとつ)、応量器(おうりょうき)をいただき、さらに大乗の戒法を受けて誓願し、僧名と血脈(けちみゃく)をいただくことで僧侶の仲間入りをすることです。この戒法を受けることを受戒といいます。得度後には、申請をすることにより、正式に曹洞宗の僧侶として僧籍簿に登録され、「上座」(じょうざ)の法階が得られます。【寺院の為の手引書より抜粋】

役員さんや梅花講の皆さん、親戚などおよそ30人が見守るなか滞りなく無事円成しました。曹洞宗の規定では満10歳から得度式を受けられることになっています。縁あってお寺に生まれたわけですから、なるべく早く仏さまとのご縁を結び、僧侶としての自覚を持っていただきたい。本人も決意を持って臨んでくれました。

写真のように、最初は白衣のみを身に着けて本堂に入堂し、本尊様やこれまで育ててくれた両親に感謝のお拝をします。そして本師に向かい、師と弟子としてのはじめてのお拝を行います。このピンと残した髪の毛を周羅(しゅら)といいます。本師に出家する覚悟があるか何度も訪ねられ、本人自ら「許す」と答えて剃髪して頂きます。そして衣やお袈裟など僧侶が身に付ける最低限のものを授けられます。

僧侶の姿となったところで、本師より仏の戒律(仏祖正伝菩薩戒)を授けられます。姿だけでなく仏の教えを護り続ける覚悟が問われ、「よく保つ」と答えて仏道を歩むことを誓います。そして本師より授けた証としてお釈迦さまから代々つながるお血脈が授けられます。最後にご本尊さま、両祖さま、歴住大和尚さまに感謝のお拝をして得度式は終了です。此の度は長男璃博の得度式に際し、お寺さまをはじめ、大勢の皆さまのお力添えを賜りまして、誠にありがとうございました。始まるまではドタバタの毎日でしたが、終わってみればあっという間でした(._.)。

3月31日(日)ランドセル祈祷

3月 24th, 2019

平成31年3月31日ランドセル祈祷のご案内

いよいよ一週間後となりました。現在の参加人数はお子さま10人です。ありがとうございました 🙂 
今年は長田地区の幼稚園、こども園、保育園へチラシ配布のお願いに廻りました。
どの幼稚園も快くご協力して頂き、厚く御礼申し上げます。

平成31年3月31日(日) 午後1時30分開式
是非ご参加ください。

4月 坐禅会のお知らせ

3月 14th, 2019

日 時:4月7日(日曜日) 朝6時半~7時半

場 所: 本堂

参加費:無料

次 第:坐禅30分 朝のお勤め5分 茶話会

月 に一度、お寺で坐禅をしてみませんか?朝6時半から坐禅⇒朝のお勤め⇒茶話会を行っています。興味のある方は坐りやすい楽な格好でお越し下 さい。初めての方大歓迎です。「足腰が悪いから無理かも」という方は楽な姿勢でも大丈夫です。椅子坐禅もお勧めしております。まずは一緒に坐りましょう。自然が奏でる音色に耳を澄まし、誰にも邪魔されずに心静かにただ坐る。それだけで心も身体も清々 しくなります。
※最近、ホームページを見て来てくださる方が増えてまいりました。子供会や部活など団体さまもいらしてください。
※当山の坐禅会は、宗教、宗派を問わずどなたでもご参加いただけます。
合掌

僧侶のためのファシリテーション連続講座 第2講

3月 5th, 2019

2月20日 僧侶のためのファシリテーション連続講座 第2講へ行ってきました。
今回は一般参加者を交え、山口 覚さんによる特別講「ファシリテーターの心構えとは?」について学びました。

今回の学びは対話についてです。
我々の話し合いの場は対話ではなく、どちらかというと、
・その場に参加している意識が少ない
・声の大きい人の前で思ったことを口に出せない雰囲気
・自分の意見がいかに正しいかを論破する
いわば討論になっているということ… 😕

これは、日本人というのは自分が正しくて相手が間違っているというスタンスで対話をすることが染みついてしまっているそうです。よって、言葉に感情がかなり深く結びついてしまうので、否定されると言葉だけでなく人格まで否定されていると思ってしまう。結果、仲が悪くなって、話し合いができなくなるというわけです。

対話を実現するための5ヶ条
・耳を澄ませて聴く・・話の中身をよそにおいて感情論にならない。
・否定も断定もしない・・評価、ジャッジメントしない。
・答えは一つと思わない・・対話によって1+1=100、1+1=Aにもなりうる。
・アイデアを繋げる・・価値観や分野の違う人と一緒に考えればより豊かな発想が生まれる。
・心の変容を許す

実は、話し合いは私たちにとって重要な社会的技術にもかかわらず、義務教育の現場でそんな授業はされていなかったですよね。子どもたちは親や大人がやっている話し合いの姿を見て覚えていくしかないのが我々の時代でした。

そこで重要なのがファシリテーターとしての心構えです

どうやって対話をしやすい場を作ればいいのか
・ルール作り・・・1人があまり話し過ぎないように時間を制限
・安心して話せる椅子の配置・・ヒエラルキーを可視化しないような環境
・気配り・・その場にいる一番弱い立場の人に寄り添う
・場を信じる・・・目的から外れそうになってもコントロールせず時には場に投げてもよい。
・中立な姿勢・・・私の言葉、あなたの言葉、私の考え、あなたの考えではなく、わたしたちの言葉、わたしたちの考えにしてみんなで共有していく。だから否定されてもあなたを否定しているのではなく、みんなの意見だからと言ってあげること。

なるほど・・・ 🙄

ではさっそくやってみよう! と言われても・・・

今更ながら自分の子供にすら対話をしてこなかったがわかりました 😳

まずはここから始めたいと思います 🙂